【インタビュー】福田進一 最新作「ピアソラ・トリビュート」配信中

ボーダーレスな活動で国内外のファンを魅了し続けるギタリスト・福田進一の新録音「ピアソラ・トリビュート」がマイスター・ミュージックより配信開始。

福田進一 / ピアソラ・トリビュート

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2021年に生誕100年、翌2022年に没後30年を迎えた鬼才アストル・ピアソラ。本作は「そのオリジナルと新編曲を、いま一度ギターで表現したい気持ちに駆られた」という言葉通りの一作となっています。。

録音には前作「バロック・クロニクルズ II」と同じく、フランスの巨匠ロベール・ブーシェ(1982/ No. 152)が使用されました。

「マイスター・ミュージックの超高感度マイクロフォンを使用したワンポイント収録によって、この楽器の独特な音色、香水のような音の香り、ピアソラの音楽と共鳴する気品と逞しさを感じていただきたい。」 (福田進一 ライナーノーツより)

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そしてmoraでは今回ご本人にインタビューとして話を伺う事が出来ました。最新作と共にぜひお楽しみください。

インタビュー/テキスト:横倉 涼(mora)


――本日はお話を伺う機会をいただきありがとうございます。
まず今作には元々ギター曲として作曲されたものと、既存の楽曲をギター用にアレンジしたものが共に収録されています。実際に演奏する上で、これらの違いを感じる部分はありましたか。

福田進一 まず今作のコアになっている作品に1980年に作曲された『5つの小品』があります。

これは私の友人でロベルト・アウセルという素晴らしいギタリストがいるのですが、彼がある日ピアソラにイギリスの作曲家ウィリアム・ウォルトンの『5つのバガテル』を聴かせたところから作曲されたそうです。ただウォルトンもピアソラもギター奏者ではないためか、ギターの機能的には想像力で書かれている部分もあり、結果としてかなり演奏が難しいものになっています。

彼(アウセル)と一緒にイスラエルをコンサート・ツアーで回った時に色々なことを学びまして、帰国後1987年に『5つの小品』をレコーディング(『21世紀のタンゴ TANGO』1987.4  Victorしたんですね。

今回はそれから実に35年ぶりの録音という事になります。当時は私自身もピアソラの楽曲についてはまだ知らない部分が多くアレンジも少なかったので、他の収録曲もフォルクローレ系の音楽や、ブラジルのショーロミュージシャンがやるような曲などでした。
その後35年の間にピアソラ人気も高まりアレンジも増えましたので、そういった変化が今回のアルバムに結実していると思います。

そしてアレンジの演奏が難しいかどうか……これはひとえにアレンジャーの腕によるところが大きいです。

今回アレンジにすごく協力してくれたのはマキシモ・ディエゴ・プホールというアルゼンチンのギタリストです。以前も私に曲を書いてくれたことがありますし、ギターがどういった楽器かを知り尽くしています。ですので演奏的にもオリジナルに比べて無理のない、弾きやすいアレンジになっていました。

もう一人は鈴木大介さんです。彼のことは16歳の頃から見ていますが、「次の時代はアレンジや作曲をできる人間が勝つんだよ」と言ってきた甲斐あってか、今や素晴らしいアレンジャーになってくれました(笑)。ピアソラの難しい楽曲をギター用に加工するという意味では本当にプロフェッショナルなので、今回は安心して演奏できました。

やはり難しいのはピアソラのオリジナルです。35年経った今も易しくなりません(笑)。

1989年の来日時には実際に本人にお会いする事もでき、これは得難いチャンスでした。その数年後のコンサートではピアソラ楽団のヴァイオリニスト、ヘルナンド・スワレスパスと一緒に演奏する機会もあったり、1998年に本場アルゼンチンで演奏したり有名なタンゴ・バーである「カサブランカ」に行ったりと、そうした経験が重なってこの35年の間に私自身もピアソラについて深く知ることが出来ました。ここしばらくは室内楽などの録音が多かったのですが、今回初めてマイスターさんでタンゴの録音が出来ました。

 

――そういった意味では、今作は長年越しのピアソラ・アルバムという事で感慨深い部分もありますか。

福田 そうですね。やはり一枚はピアソラに関わる音楽で作ってみたかったというのがあったので、今回実現できて嬉しかったです。

 

――原曲が合奏形態のものなどは音数はもちろん、音量やダイナミクスの幅もソロギターと比べるとかなり大きいと思うのですが、演奏上そういった面を意識する部分はありましたか。

福田 『5つの小品』なんかは本当に楽譜の書き方がバンドネオン的なんです。例えば強弱の振幅がクラシックと比べるとかなり大きいです。バロックの曲では出てこないようなかなりアグレッシブなタッチが要求されますし、一方でメロウな箇所ではビブラートも大きくかけます。

そういった意味では音楽に使う言葉として適切かはわかりませんが、”運動量”が非常に大きいんです(笑)。
それをギターの6本の弦だけで表現するわけですから、英語でいうと「exaggerate」……つまりより大胆に弾こうという意識はあります。
やはりピアソラのステージにはどこか”体育会系”なところがあり、クラシックギターの“わびさび”的なところと上手くバランスを取りながら、ギターファンの方が聴きたいちょうどよい部分はどこだろうと考えながら作っていきました。

今回弾いたアレンジもそういう所をうまく心得てくれているわけですが、納得のいくアレンジを見つけるまでが大変です。
『南へ帰ろう』や『アディオス・ノニーノ』といったアルバムの冒頭を飾る曲に関しては、実は中々アレンジが決まらず困っていました。それをプホールさんに相談したら「それなら僕のアレンジを使ってくれない?」と向こうから提供してくれまして、それは本当に助かりました。それに続く『セーヌ川』のアレンジは彼の師にあたるアグスティン・カルレバーロによるものです。

 

――プホールさんとの縁がなければ、アルバムの姿も変わっていたかもしれないという事ですね。引き続き具体的な演奏面についての質問ですが、バンドネオンやストリングスは発音してから音を伸ばしたり、クレッシェンドで膨らますといった表現が可能です。一方でギターやピアノは一度出した音は減衰していきサステインも比較的短い楽器ですが、こういった面での違いを意識する事はありますか。

福田 ピアソラの五重奏にもやはりギタリストやピアニストの名手がいまして、そういった方をイメージする事はあります。ただそういった楽器ごとの特性よりも重要なのが、ピアソラの音楽自体が持つ個性だと思います。

例えばバッハの書いた曲、音符というのはどのように楽器を置き換えたり様々なジャンルにアレンジされても成立するんですね。ピアソラもしっかりクラシックの基礎を学んでいましたし、彼の音楽にはバッハ同様のそういった柔軟性があります。ですので今回もそれをギターに置き換えることにはそこまで苦労はなく、むしろピアソラらしさをしっかり表現するという方向に意識を置いていました。

またピアソラの音楽においてはバンドネオンが前面に出ることが多いとはいえ、バックでピアノやギターも大活躍しています。そうしたフレーズや演奏もたくさん聴いてきましたから、そこからもエッセンスを汲み取っていくことが出来ました。

 

――演奏者の目線として、クラシックやタンゴの曲とピアソラの音楽が特に違うのはどんな部分だと思いますか。

福田 アルゼンチンの人にとってタンゴというのは、本当に生活に染み込んだものなんです。街を歩いてみても、夕飯時におじいちゃんとおばあちゃんが「今日は気分がいいから外で踊ろうか」と当たり前のように街角で踊っていたりするのを見てきました。

一方で日本人である我々は、例えば演歌やフォークソングなどで育っているわけですし、タンゴを弾くと言っても本場の方々と同じ土俵で同じように弾こうとは思わないですね。魅入られるのはやはりピアソラならではの世界です。

私が感動した作品のひとつとして、1960年代には『ブエノスアイレスのマリア』というオペラも書いていますし、彼がクラシックの世界でやろうとした仕事にもっと注目したいと思っています。初期のピアノ曲など、楽器や細かいジャンルが異なってもそれぞれピアソラとしての確固とした個性、才能の芽が感じられるんです。ですからタンゴの土俵でタンゴらしく、というよりはむしろクラシックの作品として取りあげるような気持ちで彼の音楽と向き合っています。

 

――福田さんとマイスター・ミュージックといえば「ギター・ディスカバリー」シリーズが6作品発売されています。以前「現代ギター」のインタビューで、”ギターのレパートリーを発見し、新たな未来を切り拓いていく”という想いも語られていました。今作「ピアソラ・トリビュート」ではレパートリーの開拓という部分はいかがでしょうか。

福田 今回はピアソラが手書きで書いたのと同じ原典の楽譜も参照しました。実際に当時出版されたものは、作曲された80年代初頭の技術では「どうやって弾いたらいいかわからない」というような部分があったので、実はかなり校訂されていたんです。
今作の演奏にあたってはそれをだいぶオリジナルに近づけています。ですので35年前の演奏とは実際に弾いている音の高さなどもだいぶ違っていますから、そうした部分でも研究の成果や演奏技法の発展が感じられると思います。

 

――なんというか発掘・修復作業というような趣がありますね。

福田 はい、見えてくる風景もそれによってだいぶ変わると思います。奏法については特徴的なもののひとつとして、弦や胴体を“叩く”音があります。当時はピアソラ以外の楽曲でそうした音が使われることは無かったのでどう演奏するか考えていたのですが、35年経ってみると今は自然に受け入れられますね。

弦をキュッと擦る音も出てきますが、当時それらが使われていたのは現代音楽くらいで、クラシック等のジャンルで楽音として利用する事はありませんでした。それもピアソラの功績かもしれません。

胴体を叩くにしても、グリッサンドや擦るにしても音の高さも様々ですから、それらを楽音として聴かせるのは演奏家の腕の見せ所です。「叩け」と書いてあるからただ叩くのでは、ドアをノックするのと変わりませんから(笑)。意思が無いと中々始まりません。

その意思が作られていったり、楽音として認識されていくのにはある程度熟す時間、時代が必要ですね。録音クオリティの進化によっても、そうした様々な音が伝わりやすくなっていると思います。

 

――録音についても触れていただいたところで、今作の録音について平井さんにもお話を伺えればと思います。音量の振れ幅や奏法など通常のクラシックギターの作品とも一味違う部分があったかと思うのですが、いかがでしょうか。

平井義也 福田さんはプログラムに最適と思われるギターを毎回選んで、レコーディングに臨まれます。それらの楽器の響き応じて、またホールの広さや壁からの反射音なども考慮してマイクを調整していきます。今回のプログラムの様に、細かなパッセージや楽器の胴を鳴らす音などが入った演奏をありのままに録音するというのは大変ですが、その迫力やダイナミクスは録音の醍醐味でもあり楽しかったです。

マイクロフォンの高さや位置はもちろんですが、反射板なども利用して調整しながら録音し、そのプレイバックを福田さんに聴いて頂いてさらにバランスを取っていくという作業です。

 

福田 私は「いわゆるギターらしい音」というイメージを飛び越えるような強い個性を持ったギターしか使わないので、録音時にもそれらの個性が出ていて欲しいと思っています。

それを踏まえて面白いのが、今回は前作『バロック・クロニクルズ II ~異邦人~』と同じギター、同じ会場でレコーディングをしているんです。ですので今作の『ピアソラ・トリビュート』を聴かれる方はぜひ前作も買って下さい(笑)。

福田進一 / バロック・クロニクルズ II ~異邦人~

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同じ会場で同じギターと弦を使って、かたやバロック、かたやピアソラを演奏しているのですが、ちゃんと違う楽器に聴こえます。私にとっても、タッチでどれくらい違うのかという一つの実験でもありました。

 

――そうなんですか!では同じコンサート内の演奏と言ってもいいくらい条件が揃っているのですね。

福田 季節は違うかもしれませんが、ほとんど同じ条件です。

フランスの名工「ロベール・ブーシェ」が作った楽器なのですが、他と決定的に違うのが音が圧倒的に太く、香水と例えられるような独特の雰囲気を持っているんです。そして色々な音に変化させられる柔軟性・表現力の幅も持っているので、ぜひ二つのアルバムを聴き比べてみてほしいですね。

マイスター・ミュージックさんの持っている「エテルナ・ムジカ」マイクロフォンと、離れた距離からホール全体の空気を捉えてくれる録音技術があってこそ、そうした違いがはっきり分かるようなものになったと思っています。ギターにとって一番重要な弦の振動をしっかり伝えてくれるのが、現代のハイレゾ技術だと感じます。

 

――レコーディングとコンサートでは、演奏するときの意識はどのように違いますか。

福田 録音では、なるべく大胆に表現しようといつも心がけています。レコードとコンサートでは奏者と聴衆の意識も逆なんじゃないかと感じているんです。

コンサートではお客さんは聴きにきてくれているわけですから、こちらが弾いた音も積極的に拾って聴いてくれるところがあります。レコード(録音物)のリスナーは待ち構えているような部分もあるので、こちらから聴かせにいかないといけません。

レコーディングは一つの”缶詰”だと思っていますので、演奏の一番いいところだけをしっかり届けたい。ですから、間違えてもいいから面白く弾いてやろうという意識でずっとやってきました。平井さんの編集はその分大変になるかもしれませんが(笑)。

時間の感覚も異なります。コンサートは集中して二時間ほどであっという間に終わりますが、その日の会場の空気などが相まって同じものは二度と出来ません。これも大事なものですし、一方でアルバム制作は長い期間の集中力が要求されますが、コンセプトに基づいて積み上げていくような構築感が私は好きです。

 

――ご自身で音楽を聴かれる際はどのような環境で聴かれていますか。

福田 スピーカーは二種類あってDALI(ダリ)と、もうひとつはECLIPSE(イクリプス)ですね。これはギターのPAにも使えるんです。あとはMarantz(マランツ)のプレイヤーとアンプです。

庄内に引っ越してよかったのは、東京にいた頃よりずっと広い部屋で鳴らすことができることですね。機材も喜んでいると思います。以前は音を細かく聴こうと思うとヘッドホンをしていましたが、その使用率も減りました。空気も綺麗で雑音も少なくて、そうした環境が自身の音楽にも影響していると感じます。

リスナーの皆様も環境はそれぞれだと思いますが、出来ればハイレゾのいい音で聴いてほしいです。マイスター・ミュージックのスタジオで平井さんと聴いていたものを、家に帰ってCDで聴いてみると、正直ガクッとくることもあって……(笑) 

平井 福田さんは演奏家であるだけで無く、オーディオもお好きで音響にも詳しくていらっしゃいます。それだけに響きに対して非常に鋭くて豊かなイメージをおもちですね。

福田 一度贅沢を知ってしまうと戻れないですね。昔聴いていたものは何だったのかと思ったり……せっかくなので、聴いてくださる方にはギターの音を体感して欲しいです。

以前にも話したことがあるのですが、ギターを弾くリスナーとそうでない人で好みが異なるんです。
ギターを弾く人は体に密着したギターからの振動が好きだったりして、録音では比較的オンな(近い)ものが好まれたりします。マイスターさんはそれよりも距離のある録音ですが、実際に客席からステージに向かって聴いている音が体感できるんです。

例えば「マチネの終わりに」という映画ではギターの芯のある音が求められていたので、スタジオで録音しました。そうやってギターの音は様々な形で届きますが、私としては形は違えどリスナーの方が音の中に浸れるような作品に出来ればいいなと思っています。

逆にマイクがオン過ぎるのか、爪のあたる音が気になってしまい中々曲に集中出来ないような作品も聴いたことがあります。精密に録音した結果なのかもしれませんが、音楽に酔えなければその録音は”失敗”だと思います。
左手が弦を離れる「キュッ」という音にマイクのフォーカスがいっているのではと思うような録音もありました。それが楽音として響いていれば成功ですが、そうでなければ失敗……これは紙一重の差ですが、やはり作品としてはしっかり楽音が聴けるような音楽にしていきたいです。

 

――そこはギターという楽器ならではの部分でもありますね。本日は色々と貴重なお話を聞かせていただきましてありがとうございました。最後にリスナーの皆様に一言お願いいたします。

福田 シンプルですが、この作品をどうぞよろしくお願いします。音が気になったらぜひ前作の『バロック・クロニクルズ II ~異邦人~』も聴き比べてみて下さい。他のアルバムについても毎回楽器を変えていて、自然な形で聴き比べが出来るような作品を多く出していますので。皆さんぜひギターを楽しんでください。

平井 福田さんのこれまでのクラシックのアルバムとは一味違うよりエキサイティングな演奏が聴ける作品になっていますので、ぜひお楽しみください。

 


Biography

(福田進一 公式HPより)

1955年大阪船場に生まれる。11才より故斎藤達也(1942-2006)に師事。77年に渡仏し、アルベルト・ポンセ、オスカー・ギリアの両名教授に師事した後、81年パリ国際ギターコンクールでグランプリ優勝、さらに内外で輝かしい賞歴を重ねた。以後35年に亘り、ソロ・リサイタル、主要オーケストラとの協演、エドゥアルド・フェルナンデスとのデュオをはじめとする超一流ソリストとの共演など、福田の活動は留まることを知らない。今世紀に入り、既に世界数十カ国の主要都市に招かれ、リサイタル、マスタークラスを開催。

19世紀ギター音楽の再発見から現代音楽まで、ボーダーレスな音楽への姿勢は世界中のファンを魅了している。

演奏活動のかたわら、教育活動にも力を注ぎ、その門下から鈴木大介、村治佳織、大萩康司といったギター界の実力派スターたちを輩出。内外を問わず、続く多くの若手ギタリスト達にも強い影響を与えている。

キューバの巨匠レオ・ブローウェルから協奏曲「コンチェルト・ダ・レクイエム」を献呈され、08年にライン州立響と世界初演。続いて作曲家自身の指揮によりコルドバ管弦楽団(スペイン)と再演、さらに、11年にはサンパウロ交響楽団(ブラジル)との南米初演など世界各地で大成功を収め、フェルナンデスとの共演で、ブローウェルの2つのギターのための「旅人たちのソナタ」を世界初演。12年には、ドイツ、台湾、キューバ、カナダ、北米へツアー。13年夏には北カリフォルニアのメンドシーノ音楽祭で「アランフェス協奏曲」、武満「夢の縁へ」を演奏。14年はアリカンテ大学(スペイン)でギターマスターの客員教授、さらに14年と16年にセビリア国際ギターフェスティバルのメインゲストに招待された。

17年からウィーンフィル元コンサートマスター、ライナー・キュッヒルとの演奏活動を開始。

18年4月には全米6都市でのソロ・コンサートツアーで好評を博した。

2019年3月にはモスクワ・チャイコフスキーホールで、ロシア国立スヴェトラーノフ交響楽団と共演、8月にはブローウェルと共に台北国際ギターフェスティバルに参加。9月にはジュネーヴ、パリなどのヨーロッパ・ツアーも予定されている。

また、2019年11月公開の映画「マチネの終わりに」(監督:西谷弘、主演:福山雅治、原作:平野啓一郎)ではクラシックギター監修を務めている。

ディスコグラフィーは既に90枚を超え、近年ではスペイン音楽第2集「セビリア風幻想曲」が平成15年度第58回文化庁芸術祭賞優秀賞を受賞。07年「福田進一・アランフェス協奏曲」(日本コロムビア)、10年より近代ギター音楽の父、タレガの作品集(マイスターミュージック)を連続リリース。11年秋からは「バッハ作品集」のシリーズを開始し、19年にはチェロ組曲全曲を含む全6集を完結予定。さらに、世界レーベルNAXOSから「現代日本のギター音楽」シリーズをスタートし、18年8月には第4集がリリースされた。

17年には自伝的エッセイ「6弦上のアリア」を上梓。

平成19年度、日本の優れた音楽文化を世界に紹介した功績により「外務大臣表彰」を受賞。さらに平成23年度の芸術選奨「文部科学大臣賞」を受賞した。

上海音楽院、大阪音楽大学、広島エリザベト音楽大学、昭和音楽大学、各音大のギター科客員教授。さらに東京、アレッサンドリア、ハインスベルグ、コブレンツ、全米ギター協会など、主要国際ギターコンクールの審査員を歴任している。

 

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